プランジャーシール交換

 

イオンクロマトグラフィーシステムIC-2001のメンテナンス方法を掲載しています。

ここではポンプのプランジャシールの交換方法を説明します。
プランジャーシールは、ポンプ内のプランジャとポンプヘッドの間の気密性を保ち、送液を安定化させる部品です。このプランジャシールが劣化すると気密が失われ、送液が不安定になります。

劣化したプランジャシールを新品に交換することで、ポンプ送液が安定する場合は多く、ポンプメンテナンスの基本的な作業のひとつです。



1. プランジャシール(新品)、スパナ(8×10)、シリンジ、ニードル#16、六角レンチ(4mm)、プランジャシール交換工具及び超音波洗浄器を用意します。
使用部品


2. 装置本体で操作するため、リモートキーを押し装置をローカル状態にします。
リモートオフ


3. 送液中ならばFLOWキーを押し、送液を停止します。
送液停止


4. チェック弁に接続されている吸引、及び吐出配管を外します。
配管を外す


5. スパナでチェック弁を外します。チェック弁は吐出、吸引側で内部構造が異なっていますので取り付け時にわかるようにしておいてください(矢印が刻印されています)。
チェック弁を外す


6. 六角レンチでポンプヘッドの中心ネジを3回転回して緩めます。
ヘッド中心ネジ


7. 次に両側のネジ(2本)を外します。
ヘッド両側ネジ


8. ゆっくりとポンプヘッドを手前に取り出します(真っ直ぐ手前側に引いて下さい)。
ヘッド引き抜き


9. ポンプヘッドをゆっくりと外します。
ヘッドを外す


10. 取り出したポンプヘッドの内側の穴にプランジャシールが入っています。
シール位置


11. プランジャシールをプランジャシール交換工具のガイド棒で取り出します。
シール取り出し


12. プランジャシールを取り出した後のポンプヘッド、取外したチェック弁を純水を入れたビーカーに入れ、超音波洗浄器にて約15分洗浄を行います。
超音波洗浄


13. 洗浄後、新しいプランジャシールを交換工具のガイド棒に取付けます(方向に注意してください)。
シール取付


14. ガイド棒をポンプヘッドの穴に立て、シール押さえで押さえます。シール押さえを押さえながらガイド棒を垂直に抜いてください。
取付治具


15. ポンプヘッドを装置に取り付けます(真っ直ぐに押し込みます)。
ヘッド取付


16. ポンプヘットを取付けます。
ヘッド取付


17. 両側のネジを交互に均等に締めていきます(強く締める必要はありません)。
両側ネジ締め


18. ポンプヘッドの中心ネジを強く締めます。
中心ネジ締め


19. チェック弁の向きを間違えないように吸引、吐出側を取り付けます。
チェック弁取付


20. スパナでやや強めに締めて下さい。
チェック弁締付け


21. 吸引側チェック弁に配管を取り付けます(吐出側チェック弁の配管はまだ取付けません)。
吸引配管取付


22. 付属品のシリンジ、ニードル♯16を吐出側チェック弁に取付けます。ニードルは写真のようにあらかじめ曲げてから使用します。
シリンジ取付


23. シリンジを引き(呼び水)、液がシリンジ内に引き込まれることを確認します。
シリンジ吸引


24. 液がシリンジに満たされたら、シリンジを外し、吐出側チェック弁の配管は外したまま送液を開始します。
送液開始


25. 指でチェック弁配管取付口をふさぎ指に圧力を感じればチェック弁は正常動作しています。
チェック弁確認


26. ドレンバルブを開きます。ハンドルを反時計回しで90度回します。12時の方向で止めます。
ドレン開


27. エアー混入を防ぐため送液状態で配管をチェック弁に取付けます。
吐出配管取付


28. ドレンバルブを開いているため圧力は上がりません。10分位ドレンバルブ開放で送液を行ってください。
ドレン解放送液


29. ドレンバルブのハンドルを時計回りに回し、バルブを閉めます。3時の方向位で止まります。
ドレン閉


30. モニターの圧力表示を確認して下さい。圧力値が正常か?変動がないか?を確認して下さい。
液漏れ確認


31. 圧力が低い、ないし圧力変動が大きい場合はもう一度10分間ドレンバルブ開放して下さい。
ドレン再解放


32. 圧力が安定していたら、ポンプ部に液漏れがないかを確認します。液漏れがなければ作業終了です。
液漏れ確認