イオンクロマトグラフィーシステムIC-2001のメンテナンス方法を掲載しています。
ここではポンプのプランジャシールの交換方法を説明します。
プランジャーシールは、ポンプ内のプランジャとポンプヘッドの間の気密性を保ち、送液を安定化させる部品です。このプランジャシールが劣化すると気密が失われ、送液が不安定になります。
また、ポンプヘッド後ろの洗浄ブロックから液漏れしている場合もプランジャシールの交換を行ってください。
劣化したプランジャシールを新品に交換することでポンプ送液が安定する場合は多く、ポンプメンテナンスの基本的な作業のひとつです。
1. プランジャシール(品番0022406)、ポンプ呼び水用配管(本体付属品)、スパナ(1/4"×5/16")、シリンジ、六角レンチ(3mm)及びプランジャシール交換工具(本体付属品)を用意します。
2. 装置本体で操作するため、PCを切るか、USBケーブルを抜いてください。送液中ならFLOWキーを押し、送液を停止します。
3. チェック弁に接続されている吸引側及び吐出側配管を外します。
4. 六角レンチ3mmを用いてポンプヘッドの固定ネジ2本を取り外します。
5. ゆっくりとポンプヘッドを手前に取り出します(真っ直ぐ手前側に引いて下さい)。
6. 取り出したポンプヘッドの内側の穴にプランジャシールが入っています。プランジャシールをプランジャシール交換工具のガイド棒で取り出します。
(写真はチェック弁を外した状態ですが、特に外す必要はありません。)
7. 新しいプランジャシールを交換工具のガイド棒に取り付けます。(方向に注意してください。)
8. ガイド棒をポンプヘッドの穴に立ます。
9. シール押さえで押さえます。
10. シール押さえを押さえながらガイド棒を垂直に抜いてください。
11. シール押さえを取り除きます。
12. ポンプヘッドを装置に取り付けます(真っ直ぐに押し込みます)。
13. 両側のネジを交互に均等に締めていきます。
14. 吐出側チェック弁に配管を取り付けます。オシネを手で締め付けた後に、両口スパナ1/4"で約90度増し締めします。
両口スパナでのオシネの増し締めは、90度を超えて行わないでください。
15. 吸引側チェック弁に配管を取り付けます。
16. ドレン配管を外してポンプ呼び水用配管とシリンジを接続し、ドレンバルブを開き(ハンドルを12時方向にする)、シリンジを引いて呼び水を行います。液がシリンジ内に引き込まれることを確認します。
17. 液がシリンジに満たされエアが出なくなったら、ポンプ呼び水配管を外し、ドレン配管を接続します。
18. ドレンバルブを開いたまま(ハンドルが12時方向のまま)で、10分くらい送液します。
19. ドレンバルブのハンドルを時計回りに回し、バルブを閉めます。3時方向くらいで止まります。
20. モニターの圧力表示を確認して下さい。圧力値が正常か?変動がないか?を確認して下さい。
21. 通常より圧力が低かったり、圧力変動が大きい場合はもう一度ドレンバルブを開いて10分位送液を行ってください。
22. 圧力が安定していたら、ポンプ部に液漏れがないかを確認します。液漏れがなければ作業終了です。
☆ プランジャシールの交換を行っても、流速が安定しない、洗浄ブロックからの液漏れが止まらないなどの症状が出る場合は、プランジャの交換を行ってください。